やんわりとぬーりーや

やんわりとなにをかこうかしら。放置気味になりそうですが、毎日頑張ります!

「中国人」という時の漠然としたイメージと実際

13億人も居るとは言いますが

 日本に「県民性」などという言葉があるように、中国も各地で様々な人が暮らしています。
 「13億人の中国」とか「これから習う中国語は中国全土や各地の華僑など幅広く通じます」という言い方は、あの巨大すぎる国をひとくくりにする少々乱暴な思考方式によるものだと言えなくもないかもしれませんね。(ちなみに、中国と触れる前は結構そういう思想が自分の中にありました。知らないことは無視していることと同じ。それは軽視という風にも考えられるし、考えなしに知らないうちに相手を死に追いやるかもしれない怖いことだと思います。まあそんなこと言い始めるとキリがないのですが)

大学の中と外

 大学の中では、外国人に対して非常に高い適応性を見せてくれました。キャンパスの中だけで暮らしていると、中国ってこんなものかと思うかもしれません。
 もしくは、一般の方ですと、旅行で訪れた観光地のイメージだけを以て「中国ってこんなとこ」と思ってしまうかもしれません。
 ある日、二環(環状二号線:北京の中心部を走る環状道路で高層ビルが林立しているところが多い)外側で、焼き芋を焼いて売っているおばあさんに出会いました。こんな都心で、このようなおばあさんがいるとは。
 こういった移動式の簡易出店のような方は、大学の周辺(四環あたり)では頻繁に見かけましたが、こんな都心にもいらっしゃるとは。この方は長く同じ場所で商売を続けているらしく、高層ビルがいくら立とうともここで商売を続けるようでした。
 別になにかまとめのようなことを言うつもりはないのですが、故宮博物館などを見るよりも、北京の生きた歴史のようなものを感じるのは私だけでしょうか。

北京の中と外

 一方で、北京の中だけでなく、他の都市との比較もしてみましょう。
 特にイメージなく赴いた杭州は、中心部程近くに西湖というのどかな観光名所もありつつ、浙江省省都としても発展しており、温暖で、ご飯もまろやかで美味しく、北京とは違う場所なのだと感じました。
 洛陽を旅行したときは、道中が全く発展していなかったため、一体どんな発展状況の都市なのかとハラハラしたものですが、普通に発展した普通の地方都市といった雰囲気で、ひどいことはありませんでした。ガイドに雇ったバイクのおっちゃんも、寺院の住職(?)の方も、訛りのきつい言葉で話しますが、人同士の繋がりを大切にしていることが伝わってくるような経験をしました。
 西安を旅行したときは、北京よりも田舎臭い雰囲気がしました。とある大学を見物していたら、同じく旅行者らしい人が大学の建物を写真に撮っていたので、声をかけて一緒に見て回ることにしました。その人は広州人の大学生で、洛陽とは別の訛りで話してくれました。広東語と標準語ではフランス語とドイツ語くらい違いそうですから(正確にはどうか知りません)これが一つの国としてまとまっているというのはEUが一つの国になっているくらい凄いことかも知れないなぁとぼんやり思いました。

親日反日と……

 テレビでよく見かける反日感情の多い民衆というのは、生の日本人と接する機会はとても少なく、戦争の傷跡と報道と反日教育の印象(それでも教育をそのまま信じはしないでしょうが)によって、日本ってまあ特に知らない国だけどなんかウザイ、俺ら中華で大国で偉いみたいなところはあるのかなと思っています。
 逆に親日で少し気になった人がいたのですが、その人は「日本は何でも超いい!中国のような生活の圧力もないんでしょ?」とか言っていましたので「何でも超いいというのは具体的に?」と聞いたところ、具体例は何もなく、とにかく何でもいいというのです。日本に来たこともない、と。圧力ありますけどなにか?という感じがいたします。こういう無批判に日本を褒めるのはまったくいただけませんね。日本の現状を知ったときの絶望感という意味でもそうですし、中国国内で親日派知日派を増やすための力にもならず、不安を感じさせることの多い存在です。あなた様の考えてる理想郷日本なんて存在しません。
 結局、知らないのだという気がします。
 日本人側も相手を正しく認識しようとしない感がある気がしますが、中国側も私たちのことはあまり知らないのだと思います。
 結局、知らないでレッテル張りして、的はずれな批判や喧嘩をするというのは実にくだらなく、また大変危険なことだと思ったのです。

13億には13億の個性がある

 ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワンといった綺麗事を申し上げるつもりはありませんし、13億の個性というのも大げさかもしれませんが、中国にも様々な方がいらっしゃるということが言いたいです。
 いえ、確かに、これはこんなブログ記事を書くまでもなく自明なことではあるのです。なにを今更馬鹿なんじゃないのとか思われているかもしれません。
 しかし、こと中国批判をしている方などを見たときに、個々人の中国人を見て、念頭において話してらっしゃるのか疑問に思うことがあります。個人が登場しても、悪い例を抽出して全体の「悪いイメージ」を印象付けようとしているようにも思えることがあります。単純な事実を忘れてしまいがちです。

(※この内容は、以前別のブログで書いていた内容に加筆・改稿したものです。別のブログでの該当記事はこちらで書く毎に順次公開を終了します)