やんわりとぬーりーや

やんわりとなにをかこうかしら。放置気味になりそうですが、毎日頑張ります!

国家公務員総合職受験記官庁訪問編2 第1週:第一クール

前回のあらすじ

 自治体の試験などもあり、合格発表を見てから官庁訪問の準備を始めた私は、教授から「頑張っても入れてくれるわけではないので力を入れすぎるな」など様々なアドバイスをいただきながら、夜中の1時までかけてA省の面接カードを書き上げたのでした。

一日目(25水):A省1回目

 8時半集合とのことでしたが、例の体験記ブログで早く来た方がいいというので7時40分頃に着くように朝5時に起きました。眠い状況で面接とはいただけませんが、仕方がありません。これだけ早くても前に10名程いるのですから驚きですね。8時20分頃になると最後尾が見えないほど長蛇の列が出来ていました。人数が多いので、控え室は数室に分かれたとのことですが、私は当然第一室です。面接をするたびに控え室に戻ってくるというスタイルです。

一人目(人事ブース)
 9時頃から順次面接が始まりました。初めは人事面接です。20分程度でした。最初に今朝は何していたかという雑談から入り、和やかな雰囲気で面接が始まりました(物怖じしない雑談力、大事ですね)。あとは、面接カードに書かれた志望動機や研究についての普通の質問ばかりでしたので特に困らずに答えました。スムーズに納得してもらえたと思います。「A省行政に関連して問題だと思うことはありますか」と聞かれたので、「○○については問題のあるものが増えているので規制すべきだと思います」と述べると、「トップダウンではなく、最低限の規制の上に成り立つボトムアップの精神の方が重要で、そのような規制方法は適当ではない」と教えてもらいましたので、素直に話を聞き、和やかに面接を終えました。また、「A省a局の施策について資料を見ておいたほうがいい」と言われました。

 控え室に戻ると、いまの内容を反芻しつつ、隣の人と面接内容の情報交換などをしました。詳細な内容はかけませんが、その時思ったのは財源にはうるさいようだということでした。そのうちお昼の時間になったので、食堂に食べに行きました。
 お昼休みが終わってもなかなか呼ばれなかったので、資料を広げてB省の面接カードを書いていました。今考えると大変恐ろしい行為だったと思います。のちのちまでB省の志望度を聞かれたのはこれを人事の方に見られていたからでしょうか。

二人目(原課)
 13時半頃、やっと二人目の方と面接が叶いました。原課でしたので、a局の施策についてちゃんと把握できていなくて内心かなり緊張していましたが、行ったのはb局でしたので大丈夫でした。面接官の方はA省全体やb局の簡単な紹介をしてくださり、あとは普通に面接カードの内容に沿って面接が進みました。一人目と違ったのは最近気になるニュースを聞かれたことでしょうか。また、「行政にどういうイメージを持っているか」と聞かれたので、早速一人目の方のおっしゃっていた、ボトムアップ云々の話をしました。面接一回ごとに成長していくことが大切ですね。

 特にエレオク(人事の方にエレベーターまでおくられて官庁訪問が終了してしまうこと)などに遭っている人はいない模様で、控え室では議論が行われていました。
 次の三人目の方は原課の方でしたが、前の二人と大して変わりがありませんでした。
 17時頃、まだ三人目の面接が済んでいない方も沢山居る状況で、他の訪問者2人と一緒に呼ばれました。これはエレオクか!?と思いましたが、エレベーターがどんどん上の階に昇っていくので面接のようです。

四人目(人事)
 面接官が二人いらっしゃって、お一方は少しふっくらした若い男性、もうお一方は細身で視線の鋭い切れ者の階級の高そうな男性でした。切れ者の方はパソコンで記録する係りで、若い方がいままでの内容と同じ質問を繰り返していました。この回で特に聞かれたのは志望度に関わることで、他省庁や自治体の志望度についても詳しく質問されましたので、A省がなにを差し置いても第一志望であること、他の省に行くことになっても国のために力を尽くす所存であることを伝えました。面接の一番最後に、切れ者の方が、私の述べていた政策に関して財源をどうするのかと聞いてきました。一秒フリーズしたあと、とっさに、現状の政策で削減できるところを探すと答えましたが、なにも答えないよりかはマシ程度でしょうか。

 控え室に戻ると、私の選考プロセスは訪問者たちの間で少し進んでいるという噂になっていたらしく、いろいろ質問攻めに遭いました。
 夕飯も食堂に行き、9時前になったのでそろそろ帰れるかと思っていたら、5回目の面接になりました。

五人目(原課)
 面接官は、私の専攻分野のc局の方でした。志望理由や研究テーマを聞かれたので、いつもより詳しく話しましたところ、却って分かりにくくなってしまったようで、あまり評価してもらえませんでした。もっと簡潔に話すと良いというアドバイスをいただきました。留学経験やその時に思ったこと、それらについてA省行政と関連する事項に対する考え方を問われ、答えると「考え方はだいたい正しいと思うので、もっと自信を持ってハッキリ答えたほうがいいよ」と言われました。評価はそこまででしょうか。しかし、アドバイスをいただいたのでお礼を述べて、吸収することにしました。

 控え室に戻ると、落ちたと思われる半分程の訪問者がボツボツと返され始めました。かなり待っていたのに結局面接3回の人もいたようです。面接は一回20分なので、その人たちは、面接1時間、待ち時間は10時間といったところでしょうか。そして、10時スレスレになり、出口面接となりました。評価が高いので第二クールも来てくださいとのことでした。

二日目(26木):B省1回目

 B省は午前受付と午後受付があったため、前日夜遅かったこともあり、また面接カードが書き終わっていなかったこともあり、午後から訪問を開始しました。
 受付兼控え室で全体説明を受けると、これから志望・専攻・試験区分に合わせて各部局、好きに訪問してくださいとのことでした。
 官庁再編をしてから、一つの省庁に数系統の部局が入っていて、採用プロセスもその後の職員のキャリアパスもそれぞれで別々、ということはよくあるようで、B省も例外ではなかったようです。もともと私の専攻に関連するポストが多そうだと思っていたこともあり、B省の数系統のうち、2系統が訪問できそうでした。2系統で完全に独立しており、別々に訪問するということでした。
 まずは、私の興味のある政策課題の多そうな系統1を訪問しました。系統1の受付で簡単な業務説明を受け、その後、指示された部屋に原課面接に行くというスタイルです。すぐに面接が始まりました。

系統1;一人目(原課)
 面接カードにはA省が第一志望と書いてあり、その志望理由も聞かれ、「じゃあ君はB省に来なくてもいいですね。A省に行くんでしょう。今日の訪問は全部A省と人事交流のありそうなところに推薦しておくから、今後の業務に役立ててください」と最初からバッサリ切られましたが逆に思い切りがよかったので、その日一日、精神力を消費せずに済みました。
系統1;二人目以降4人(原課)
 受付に戻ってくると、すぐに二人目の部屋番号を指示されました。二人目以降は各局の業務説明が多く、聞かれたことといえばやってみたい仕事や体力の事などが多かったと思います。専攻と絡めて志望理由を説明しましたが、A省ほどオリジナリティあふれる志望理由にはなっていなかったと思います。まあ実際その程度にしか志望していなかったんですから仕方ないですけどね。

 それにしても、4時間も使わずに合計で5人の方と面接してしまいました。ものすごい効率です。
 夕方になってきて、夕飯には早いけど、系統2を訪問してしまうとお腹がすくと思った私は、少し早めに売店に赴き、いくつか食べ物を買って食事休憩に入りました。そして、1時間弱してから、系統2に向かいました。

系統2;一人目(入口)
 系統2に行くと、一人の面接官1時間ほど業務説明を受けました。珍しく女性の面接官でした。そして、面接官は時計を見ると、「あれ、もう7時になるんだね。遅いから今日はもう面接できませんね。プロセスが進んだわけではありませんが、第二クール二日目に来てください」といって、面接が終わってしまいました。入口にして出口な面接でした。

 このようにして、A省とは打って変わって早く帰れた私は、余裕をもってC省の面接カードを書くことができました。なお、A省が遅くまでかかったのは、一日目だったので訪問者が多かったという理由もあると思います。

三日目(27金):C省1回目

 前日は、早く帰れて余裕だった割に夜中の2時までかかって面接カードを書き上げ、4時間程度寝て、6時起床でC省に行きました。A省と似て、控え室に待たされ、呼ばれるたびに面接室に行くというものでした。ただし、A省と違ったのは、C省は最初から5人と面接するということが決まっていたことです。途中でエレオクに遭う心配もせず、落ち着いて面接を受けられましたが、三日目な上、狭き門なので相当優秀でない限り生き残れないということを忘れてはいけなかったと思います。もしかするとこの省は説明会などの時点で選考プロセスが進んでいる類の省かもしれないという匂いも感じました。

一~五人目(人事ブース)
 もしかしたら出来レースだったのかもしれませんが、どの面接官も面接カードに書いてあることをなぞって聞くだけで、特に突っ込まれることはありませんでした。ほとんど緊張しないどころか、こちらから情熱的に政策について話し、共感もいただきました。その政策に関しては、「貴方がC省を選んでくれたら、そのような活躍の場があると思います」という人と「貴方の試験区分や専攻では、貴方のやりたい政策課題から外れたキャリアパスになりますよ」という人がいました。その他、深く突っ込まれたのは他の省の志望状況についてで、うっかりした事に正直にA省が第一志望ですと言い続けてしまいました。たぶん緊張していないようで、緊張が完全に一周回ってネジが一本抜けていたのだと思います。僅差で迷っていますくらい言うべきだったと思います。

 結局、受付の人事の方に「何かあれば本日中に連絡します」と言われました。本来なら切られた時のメッセージですが、しかし、面接の感触は非常に良かったので、このころは第一クールなら結構通るのではないかと思っていたので、その日は連絡が来なくて地味に凹みました。面接を何人かこなすうちに「これはイけるんじゃないか」と思って沢山エネルギーを使ってしまったのは痛手でした。B省の系統1も連絡が来ませんでした。週末はゆっくり休むことにしました。

ここまでのポイント

★一回一回の面接で学べることはメモに残しておき、反芻し、自分の糧とする
★仮に自分が間違っていたり、上手く答えられなかったとしても、素直に面接官の言うことを聞き、感謝する気持ちをもつ
★第二・第三志望で志望度を聞かれた時、完全な嘘にはならない程度の方便は必要(?)

次回

 次回は、第二週の第二・第三クールです。全体のポイントは最後の回にまとめて載せようと思います。