国家公務員総合職受験記試験編2 二次試験
前回のおさらい
半分諦めムードもありながらも、自分のマッチングは公務員しかないと志望を固めて勉強し、一次試験通過をした私。待ち受けるのは二次試験。
例によって、全体の概要説明と被る部分も多いかと思いますがご了承ください。
専門筆記試験:5月25日(日)
工学区分の二次試験の筆記は、3時間30分で、29科目中自分の選択した2科目・合計2題を記述形式で解答するというものです。ただし、一科目に2題以上ある場合は、各科目そのうち1題しか選択できません。また、「科目1. 建築設計」または「科目2. 都市設計」を選択する場合は、設計を1つすればOKです。まあ1つとは言え、3時間30分でする設計というのは普通の試験と勝手が違って大変だと思いますが。一つ間違うと失敗しそうなこれら二つとは違って、2科目解答する方が多少安心感はあるでしょうか。
一応、科目の一覧を示しておきます。
29科目中2科目選択(選択問題)39題中2題 |
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1.建築設計 |
2.都市設計 |
3.計測工学 |
4.制御工学 |
5.情報工学(ハードウェア) |
6.情報工学(ソフトウェア) |
7.電磁気学・電気回路 |
8.電気機器 |
9.電力工学 |
10.電子工学 |
11.通信工学 |
12.信頼性工学 |
13.材料力学(機械系) |
14.機械力学 |
15.流体力学(機械系) |
16.熱力学・熱機関(機械系) |
17.航空工学 |
18.構造力学(土木) |
19.土質力学 |
20.水理学 |
21.土木計画 |
22.環境工学(土木)・衛生工学 |
23.材料工学(材料科学) |
24.材料工学(金属材料) |
25.材料工学(無機材料) |
26.原子力工学(原子核・放射線) |
27.原子力工学(原子炉・核燃料サイクル) |
28.船舶海洋工学(流体) |
29.船舶海洋工学(構造) |
合計2科目2題 |
科目1または2を選択する場合、1科目1題のみ選択します。科目3以下を選択する場合、2科目2題を選択します。同一科目内に2題以上問題がある場合、そのうち1題しか解答できません。また、科目13と18は同時に選択できません。また、科目15と20は同時に選択できません。また、科目21と22は同時に選択できません。
私は、5月上旬頃だったかの一次試験合格発表後に予め買ってあった問題集を(捕らぬ狸の皮算用的に予めかってありました。国家資格用のもので、その国家資格試験も近づき品薄にもなりますし、発表後に購入希望者が増えて買えなくなっては事だからです。まあ心配症です)解き始めました。
模擬問題を解いてみて、時間内に最後まで解けた率は3割程度と大変低く、試験当日もかなり緊張しましたが、比較的解きやすい問題が出て最後まで解くことができました。
なお、私は余裕もなかったので自分の解く予定の科目を絞って対策しましたが、余裕のある方は近い分野で3科目とか4科目準備して、予定していた科目の難易度が高くて解けなかった場合に備えていることも多いみたいです。まあ、専攻した分野で得点力に差が出てしまうのは不公平ですので得点調整はするみたいですから気にしすぎる必要はないと思いますが。
人物試験(人事院面接):6月上旬~中旬
人物試験というのは、人事院の方で、受験者と面接して評価するというものです。
事前にA4一枚程度の面接カードを書いて行き、当日その場で提出すると、面接の時に面接官の方がそのカードの内容にそって質問してくださいます。面接官は3名で、人事院からと、各省庁からランダムにいらっしゃっているようです。志望動機、学業や学生生活で力を入れたこと、趣味について等を聞かれます。
面接カードを書くときに問答の想定はしましたが特にこれといった面接対策などもせず臨みました。今考えると無謀だったと思います。恐ろしいです。
私は民間就活でもESを何枚か書いていたので、この面接カードというのを甘く見ていましたが、試験漬けの日々のあとに久しぶりにこの種の面接カードを書くと時間がかかるものですね。慌てて「公務員試験直前面接・ディスカッション対策」といった内容の書籍を片手に、朝の4時か5時くらいまで書いていました。集合時間は私の場合午後からでしたので、なんとかセーフ。睡眠時間を削ったりせず、正常な状態で試験に臨みました。試験会場には集合半時間前に着き、20人強のうち10番目より少し早いくらいの早さでした。全員院卒者だったようです。試験は最初に政策討論でしたので、これについては後述します。
さて、政策討論が終わり、ある程度仲良くなった隣の席の人と静かにおしゃべりをしながら、人物試験の開始を待ちます。試験は、各討論グループで番号の若い順に始まります。私は、遅い方でしたので、80分くらい待機してからの開始でした。一人20分程度の面接で、概要は上述もしましたが、面接カードに沿って、以下のような質問をされます。
★研究テーマについて、専門的な知識がない人にも分かるように説明して
★その研究をして何が分かり、実際に社会にどう役にたちますか
★君の性格についての記述と、経歴の活動内容について少し矛盾を感じるけど説明して
★国家総合職を志望する理由を教えて
★君が志望する各省庁でどんな活躍ができるか教えて
★君の趣味で○○をやっていたときに、××という社会問題を感じたことがありますか?それにはどう対応しますか?
他の質問はあまりよく覚えていないのですが、それほどいくつも質問されなかったのは、予め相手の知りたい項目を体験ブログを見て予習し、相手の質問に合わせて手短にかつ情報を盛り込んで返答したからだと思います。ポツポツと答えるのではなく、相手に会話のとっかかりを与えるような返答をするとキャッチボールがうまくいくと思います。基本的に面接官というのはその受験者の性格上の特性を会話から探るのが仕事なので、的確に情報提供していれば変な質問で困らせてくることはないでしょう。
ともかく、上記だけでは恐らく対策として不十分なので、以下のような一般的な項目についてそれぞれ返答を考えておき、会話中でうまく織り交ぜられればベストかと思います。なお、会話でうまく話せなくなってしまうことを考慮して、面接カードには言いたいことのエッセンスを全て注ぎ込んでおいたほうが良いでしょう。最も重要な部分を出し惜しみして質問を誘導しようとしても失敗して質問してくれなかったら目も当てられません。
★研究について
具体的内容
テーマを選んだきっかけや問題意識
研究してわかったこと
研究して社会でどのように役立つのか
研究室での立ち位置・メンバーに持たれている印象
★志望動機について
国家総合職を志望する理由
各省庁ではどんな活躍の仕方があるのか
他の併願先(自治体)の志望理由など
★その他
性格の強みと弱み、それを裏付けるエピソード
趣味はどんな仲間とどういうふうにやっているか
語学について
時事関連
他にもいろいろあると思いますが、いろいろ体験談を読みながら想定して箇条書きにしておいて、それらを念頭において行くといいでしょう。ただ、あんまり問答集を暗記してスピーチを発表するみたいに暗唱するようなことは止めましょう。私は不真面目なことに問答集を作っておらず、直前に会場で例のブログを印刷したものの横にメモ書きする程度でした。重要なポイントを把握しておいて、あとは面接官と会話すればいいのだと思います。
政策討論:6月上旬~中旬(人物試験と同日)
資料を3つ(日2、英1)読んでそれを踏まえて設問について論じるという試験で、時間的な制約がキツイ試験です。具体的には以下のようになっています。
最初の25分:資料を読んでA4のレジュメ一枚を完成させるところまで
(次に討議用の部屋に連れて行かれて)
↓
5分間:討議メンバー6名(これより少ないこともある)のそれぞれのレジュメに目を通す
↓
各自3分間:自分の考えを発表
↓
30分間:全員で建設的に討論
↓
5分間:自分の考えをまとめる時間
↓
各自2分間:討論を踏まえた自分の最終的な考えを発表(さっきと逆順で発表)
試験内容は、娯楽施設利用者と地元住民との衝突と、それに対する規制についての事例の資料が配られ、行政による規制をすべきか否かというものでした。
資料を読むのに10分程度使い、あとは自分の意見(賛成or反対)、その理由、そうした場合の課題点などを箇条書きにしてレジュメを作成するのが定番なようです。私は課題点まで頭と時間が回りませんでしたが、代わりに、資料解釈した内容のポイントを書いて議論をしやすくしようとしました。
この資料作成で変な図などを作ろうとすると失敗することが多いようですので、シンプルな箇条書きが良いでしょう(とはいえ人に依ります。かくいう私も、同じようなグループディスカッションにおいて、内容を文字で表現するにはスペースもレジュメ作成時間も足りないと感じて地図や模式図を描いてうまくいったこともありますので、人や状況に依るでしょう。しかし、二次試験の政策討論くらいのものであれば箇条書きで十分だと個人的に思います)。
討論は、やんわりと建設的に行われ、誰も和を乱す人がいませんでした。最高のメンバーだったと思います。もともとの意見は6人中5人が規制反対派で、残り1人も早々に規制反対派側に歩み寄り、その方向で6人が挙げていた課題を、解決するための枠組みづくりを話し合い、規制推進派の意見も一部取り入れながら一つの政策提案に至りました。
これは、相手の話をよく聞き、独りよがりな主張はせず、しかし建設的に説得できそうだと思う時には積極的に主張し(あまり変な案でなければ、相手も潰しにかかることはないと思います。共闘関係です。ただ、だからと言って、自分が思ってもいないのに故意にテクニックとして説得にかかるような愚かな真似はしないでくださいね)案を形成していけると思います。
ただ、私のグループには和を乱す人がいませんでしたが、そういった人がいた場合、その人への対処も見られるようですので、この件については政策討論に関係なく、グループディスカッションのやり方についてお調べになってはいかがでしょうか。
こうして無事、二次試験を終えた私は、最終関門・官庁訪問の二日前に最終合格を知り、慌てて官庁訪問の準備に入るのでした。ホラ、最終合格発表の前日に自治体の試験があったし、いろいろあるんですよ。
26年申込 | 一次合格 | 二次合格 | 採用予定者数 | 25年申込 | 一次合格 | 二次合格 | 採用予定者数 | ||
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全体(院卒) | 03062 | 1039 | 0551 | 215 | 03299 | 0896 | 0471 | 200 | |
全体(大卒) | 17985 | 2645 | 1367 | 495 | 18949 | 2484 | 1282 | 485 | |
工学(院卒) | 00758 | 0294 | 0154 | 065 | 00764 | 0276 | 0147 | 060 | |
工学(大卒) | 01975 | 0589 | 0295 | 100 | 01870 | 0628 | 0334 | 110 |
単位:(人)
人事院HP 国家公務員採用試験の実施状況、人事院HP 総合職試験採用予定数より抜粋。なお、24年度は採用予定数が極端に少ないため除外
ここまでのポイント
★専門記述試験は、今までと同様、ミッチリ準備をすればOK
★人物試験は、相手の問いたいことを予め念頭に置きながら積極的な情報提供の姿勢で会話を成立させる
★政策討論は、建設的に、共闘関係を意識しながら、いい方向に説得できそうならしっかり主張するなど、他力本願になりすぎず、また我を通しすぎないように注意する
さて、次回から、いよいよ官庁訪問編です。